事故による頭部外傷


脳は頭蓋骨によって守られており、衝撃を受けても、頭蓋骨が衝撃を吸収してくれるので、簡単には脳に傷がつかないようになっています。しかしながら、あまりに強い衝撃を受けると、頭蓋骨では保護しきれずに、脳が傷つけられてしまうことがあります(脳損傷)

 

頭部に外傷を負う場面として、交通事故や高所からの転落・転倒、スポーツ中の接触や暴行などがあります。このうち、頭部外傷によって死に至る原因の半数以上が、交通事故による頭部外傷だと言われています。

頭部に強い外傷を負った場合、早急に専門家の診断、検査を受ける必要があります。特に気を付けなければならないのが、外傷の程度にかかわらず、脳に強いダメージを負っている可能性があることです。外傷が少ないと、どうしても初期対応が遅くなったり、深刻に考えずに通院をしなかったりすることがあるのですが、重い怪我を負っている可能性があるのです。

また、病院での治療も、外傷の程度が軽いと、十分な検査を受けずに終えてしまうことがありますが、これが非常に危険です。頭部外傷の専門家の診断を受け、CT検査やMRI検査などのしかるべき検査をする必要があります。

脳が傷つけられると、受傷直後は影響がなくても数時間後に突然意識を失ったり、体が急に動かなくなったりすることがあります。また、受傷の程度や箇所によって、考える力が著しく低下したり、言語能力がなくなったり、感情の調節ができなくなったりということが起こります。また、視力や聴力を失う可能性もあるのです。

さらに、脳に強い衝撃を受けると、急に人格が変わってしまうということが起こります。例えば、急に怒りっぽくなったり、突然泣き出したり、集中力が維持できなくなったりということがあるのです(高次脳機能障害)。これらは、そもそも検査をしても見過ごされてしまう可能性があったり、確立された治療法がなかったりして、被害者やそのご家族を非常に悩ませるのです。

脳は人間の身体をコントロールしている非常に大切な機能であるがゆえに、複雑で構造を理解することが、専門家でも難しい面があります。まずは、どんなに些細な外傷であっても、専門家にご相談いただき、適切な対応を取られてください。

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